本当のことを言い出せず,モヤモヤしてしまう,ごまかすためにうそをついてしまった,な~んてなことは,日常生活で「あるある」の話ですよね。
5年生の道徳は「参考にするだけなら」です。

読書は好きなんだけど,読書感想文を書くのがとっても苦手な知子さん。なぜ,夏休みの宿題に読書感想文があるのかと思うのですが,その夏休みもあと2日。やるしかないかと夏休み中に読んだ「ナルニア国物語」の読書感想文に取り組みます。しかし,まったく進みません。

気分転換にとパソコンを開く知子さん。動画などを見ていたけど,ふと「ナルニア物語 読書感想文」というキーワードで検索するのでした。すると,そこにはいろいろな人が書いた読書感想文が掲載されているではありませんか。「参考にするだけなら・・・」と自分と考えが似たような感想文を選びプリントアウトしました。2学期が始まり,先生から読書感想文を誉められる知子さん。クラスメイトからも賞賛されます。けど,ちっともうれしくありません。なぜなら,あの読書感想文は半分以上がプリントアウトした文章を書き写した感想文だったからです。
インターネットで誰かが書いた読書感想文をみたとき,知子さんはどう思ったのかな?
知子さんのしたことは問題かな?問題ならどこが問題だったんだろうね?

周りのお友達と意見交流です。

菜摘Tも意見交流の輪にはいって,対話です。
「参考にするのはええけど,あくまで,参考だから,書き方であったり,表現に仕方などを知るきっかけにすると良かったんじゃないかな~」
「さすがに半分以上は参考とは言えないじゃないかな~」
「苦手な人からすると,ラッキーって思えてしまったんじゃないかな~」
「盗作はだめ!それは感想文ではないな」
などなど,たくさんの意見が飛び交います。

「参考とまねはちがうと思います」
「まねをしたことを正直に言わないでいるとモヤモヤばかりが残ってしまう気がする」
なるほどな~。

半分以上を書き写した読書感想文を提出した知子さん。みんなから賞賛される知子さんですが,本当のことが言えません。
その感想文は学校を代表して地区のコンクールに出品されることを告げる先生。「おめでとう!」「すごい!」と拍手がおきました。その拍手を聞きながら,教室から逃げたい気持ちをおさえるために,グッと手を握り,下をむく知子さんでした。

正直でありたい,そう思いながら,なかなか言い出せない。みんなはこれからどんことに気をつけたらよいかな?いっぱい考えたね。
「誠実で明るい心」を「参考にするだけ」で考える5年生でした。
このお話の最後はこうです。
この日,放課後に遊ぶこともせず家に帰る知子さん。今日の授業のことは何もおぼえてないほど・・・。ベッドで本当のことを言うべきかどうか一人考えます。「先生に叱られ,親にも叱られる自分」「コンクールの賞状をみんなの前で受け取る自分」そんな姿を何度も何度も想像します。
「ごはんよ」
そんなとき,お母さんの声が聞こえました。
おしまい。
この後どうなったんでしょうかね? ご家庭で話し合ってみてはいかがでしょうか。